令和3年予備試験 刑事訴訟法 答案構成
勉強として今年の予備試験の答案構成をしてみました。
基本的には解説は見ずに、論証もその場で思い出して書いています。
設問1
1 準現行犯逮捕出来るか(212Ⅱ)
2 Ⓡ ①212Ⅱ該当性 ②「罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」 ③必要性(199Ⅱ、規則143)
3
(1)①について
声をかけたところ逃げ出した㋵212Ⅱ④に当たる。
(2)②について
ア「罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」とは、㋐逮捕者にとっって被逮捕者が犯人であることが明白㋑時間的場所的密着性 そして、明白性と時間的場所的密着性は212Ⅱ各号との相関関係で決まり、Ⅱ④はもっとも犯人との結びつきが弱いので、高度の明白性、時間的場所的密着性が必要
イ㋐⤵ Pらは犯人を現認していない。Z Vからの証言、防犯カメラの映像で犯人の特徴を掴んでいた。そして、甲は犯人らと特徴が一致していた。また、被害品と特徴の一致するバックを所持していた。㋵㋐が認めらえる
㋑V方から約5キロメートル、時間はわずか2時間→時間的場所的密着性強い
ウ 「罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」といえる
(3)③について
Pらは、Vの素性を知らないので、後日逮捕することは困難。強盗傷人は重罪で、同じような事件を起こす可能性あり。→逮捕する必要性がある。
4 適法である
設問2
1 本件接見指定は適法か。(39Ⅲ)
2 Rは起訴されていないので「公訴の提起前」である。
3 アⓇ「捜査の為に必要があるとき」とは、捜査の中断による支障が顕著な場合、具:現に捜査中、又は間近い時に捜査の予定がある場合
イ午後4時50分に弁論録取手続きが終了し、その後、直ちに現場で実況見分を行う予定だった。→間近い時に捜査の予定がある場合といえる。
4 但し書き「防御の準備をする機会を不当に制限」しないか
ア Ⓡ 趣旨は、弁護人依頼権(憲法34条)と被疑者の身柄を利用した捜査の必要性の調整。そして、本件は初回の接見、初回の接見は、弁護人を選定したり、今後の捜査の進展等についてアドバイスをもらう極めて重要な機会であり、憲法上の出発点。㋞捜査機関は、弁護人となろうと協議して、即時又は近接した時点での接見を認めても捜査に顕著な支障を生じるのを避けることが可能なときは、即時又は近接した時点での接見を認める必要がある。認めなければ但し書き違反
イ S弁護士午後5時ころ、午後5時30分から接見したいと電話した
Z その時、Pらは、正に実況見分に向かおうとしていた。そして、現場において、甲らが捨てたナイフを発見、押収する予定であった。ナイフは本件事件において極めて重要な物的証拠であり直ちに発見する必要があった。甲は地図で説明することは困難であったから、甲を連れて現場に行かなければならなかった。接見を終えてから出発しては、あたりが暗くなりナイフを発見できない恐れが高かった。㋵接見を認めては捜査に支障が生じていた。
そして、Rは実況見分が終わった8時に接見時間面してほしい旨述べたが、S弁護士の都合で翌日の午前9時まで接見ができなかった。
→Rらは、捜査の支障を考慮し、即時又は近接した時点での接見を認めていたので、「防御の準備をする機会を不当に制限」したとはいえない。
5 本件接見指定は適法である
以上
[感想]
設問1
212Ⅱ②「贓物」ってなんだっけ?被害品のことでよいのか迷ったが、212Ⅱ④があるので、無視した。本番では念のため書くか迷うところ。準現行犯逮捕は論証を準備している人は少ないのではないだろうか。論証を用意していないと本番でぐちゃぐちゃになりそう。自分は3つの要件を用意していた。ポイントは、212Ⅱ該当性 →「罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」という順番で書くことで、その際、相関関係というキーワードを書けるかどうか。これは適法でいいと思う。
設問2
接見指定は実務上認められるので、もう試験には出ないと誰かが言っていたが、普通にでてるやん。
ポイントは、「捜査の為に必要があるとき」と「防御の準備をする機会を不当に制限」をきちんと分けること。ここをぐちゃぐちゃにしちゃうと締まらない答案になってしまう。やはり、要件ごとに細かく定義を当てはめて書くとスッキリとして文章になると思う。今回は、「捜査の為に必要があるとき」は簡潔に認定して、「防御の準備をする機会を不当に制限」で勝負するのが正解だと思う。当てはめは、難しいけど、結論はどっちでもいいのでわ。問題文の事情的には適法にする人の方が多いのかな
設問1、2共に論証をきちんと覚えていた人にとっては簡単だったと思う。やはり、論証、定義の暗記は重要。