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令和3年予備試験 民法 答案構成

設問1

 

1 本件ワインの売買契約と本件賃貸借契約は、目的物、契約時期、契約書が異なる→合理的意思解釈として別個の契約

2 本件ワインの売買契約

(1)Aは債務不履行解除を主張(412の2、543)

(2)Bは、本件ワインは種類債権であり、無限の調達義務を負い、債務不履行にはならないと反論する。㋞本件ワインが特定しているかQ(401)
ア 「物の給付をするのに必要な行為」Ⓣ債権者が受領しようとすれば何時でも受け
  れる→本件は取立債務→分離、準備、通知する必要あり

  イ 28日、分離、準備。1日通知→特定している
ウ さらに、私的自治の点から、両者の合意によって特定することもできる。
  本件売買契約で冷蔵庫甲に保管中の乙農園の生産にかかるワイン1万本と合意し 

ているので、特定されている。→Bの反論×

(3)本件ワインは食品として売買された。→飲料に適さない程度に劣化→債務の履行が取引上の社会通念に照らし不能→請求〇

3 冷蔵庫甲の賃貸借契約

(1)Aは解除を主張(616の2、520、543)

(2)Bは、冷蔵庫甲は復旧し、使用には支障がない。→使用収益ができなくなった場合には当たらないと反論

(3)これに対し、Aは、本件賃貸借契約と密接不可分の売買契約が解除された以上、本件賃貸借契約も解除できると再反論。

 ア Ⓡ⤵別個の契約 Z 複数の契約であっても、両者が密接に関連し、社会通念上、いずれか一方の契約を履行しても意味がない場合は、一方が解除されれば、他方も解除できる

 イ 甲冷蔵庫は、本件ワインの適当な保管場所を見つけられなかったAが、適切な保管場所を見つけるまで、暫定的に借りた。→本件ワインの為に借りたので、本件ワインの売買契約と密接不可分→売買契約が解除されれば、保管する者が無く、倉庫だけ借りても意味がない→解除〇

 

設問2

小問(1)

 1 本件譲渡担保は有効か。対象が酒類という集合物であるので、集合物譲渡担保の可否が問題となる

  (1)反論:一物一権主義に反するので、集合物譲渡担保は認められない

  (2)ア 物の一個性は社会通念によって決する。取引通念上、集合物を一個の物として扱う必要性高い。→集合物譲渡担保〇 ㋲取引安全の見地から、対象を特定する必要あり。㋞種類・所在場所・量的範囲によって特定されている必要あり   

     イ 種類→酒類 所在場所→倉庫丙内 量的範囲 →全て 特定〇

  2 有効だとしても、第三者に対抗できるか。

  (1)動産の物権変動の問題。㋞178の対抗要件を備えれば第三者に対抗できる。そして、集合物譲渡担保の場合、集合物全体の引き渡しがあれば、その後に担保の対象となる動産が流入しても、集合物の構成部分となるので、対抗要件の効力が当然に及ぶ

  (2)10月1日に、集合物全体を占有改定(183)により引き渡し(177)している。㋵本件ウイスキー対抗要件も具備されている.

     →Ⅽは主張できる。

小問(2)

 1 Ⅾは代金を完済していないので、本件ウイスキーの所有権はDに移転していない。㋲条項③ Aは転売できるとある。そうすると、譲渡担保契約の対象となったので、所有権が担保権者であるCに移転しているのでは。譲渡担保契約の性質がQ

   →形式的には所有権移転 Z 実質は担保権の設定に過ぎない

   →譲渡担保契約によって所有権は移転しない。そうすると、本件ウイスキーにはCの担保権が及んでいるだけで、DはCに対して所有権を主張できる。

 

[感想]

めちゃくちゃ難い。去年の10倍ぐらい難しいと思った。今回、かなりの時間悩んで書いてみたが、本番の20分でやったら、ほぼ白紙のクソ答案になっていたと思う。自信があるのは、小問1の冷蔵庫の賃貸借契約ぐらいで、他は自信ない。設問1の売買契約は、反論として特定(401)の話を書いたが、書いててなんか違うと思った。でも、他に反論が思い浮かばない。

設問2は集合物譲渡担保。大半の受験生は押さえていないよね。ぶっちゃけ、種類・所在場所・量的範囲の定義と当てはめを書ければ合格答案になるんじゃないの。